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青春さまの青春鉄道、紙端国体劇場作品の二次SSブログです。 同人、腐、女性向けなどに理解のない方、義務教育を終了していない方は、ご遠慮ください。 実在の個人、団体、鉄道等とは一切関係ございません。

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 「君を恋う」の後日談、その1です。
 東海道新幹線と山形新幹線がでてきます。
 みじかいです。よろしければ、どうぞ。

 拍手コメントを下さったMさまへ
 「おさなごころの君」の山陽と秋田を受け入れていただき、ありがとうございます。
 東海道と山陽については、おっしゃるとおりだと思います。ごく自然な関係を築いていますよね。
 当方の山陽は、最後にはへらりと笑うんです。いつか、別の表情をしてもらいたいと思っています。

+ + + + + + + + + +

君を恋う おまけ1

 東海道新幹線が目覚めたのは、陽がすっかり昇ったのちのことだった。
 ぼんやりした視界に、恋人の涼やかな面ざし。高原の風にふかれたような清しさに、思わず深呼吸をした。
「おはよう」
「おはようさん」
山形新幹線が笑む。
「よく眠った」
東海道は両手をあげて、しなやかに伸びをしながら言う。
「えがった。昼飯、できてるで」
「あ……その」
東海道はためらった。食べなかったら、山形は自分のせいだと気に病んでしまうだろう。しかし、食欲はない。
「少しでええよ」
山形も気遣ってくれている。それに励まされ、そして山形に心配をかけたくなくてうなずいた。
 ちゃぶ台には、とろとろの中華粥と冷奴。
「あ」
それを見た東海道が山形をふりむく。
「ん」
わかっていると山形がうなずく。
 冷奴に、刻み野菜のたれがかかっている。きのう、山形駅の近くで食べておいしかったものそっくりだ。ひとくち食べると、さわやかな風味が気怠さをおしのけ、きぬごしは喉をつるりと通っていった。
不思議な心地で山形を見る。
(この男は、どうして)
はじめて会った東京駅、つぎに会った病院の記憶がよみがえる。
 手をとめた東海道から、山形はそっと箸とうつわを取ると、雛にすり餌をやるように食べさせはじめた。
 つるん、ごくん。つるん、ごくん。
 あっという間にたいらげたのに、山形が安堵の息をつく。
「おまえは、すごいな」
「なにがあ」
「なんでもできるんだな」
「この、だしのことかあ? 地元のもんなら、誰でもわかるべ」
あたりまえのように言う山形に、東海道は首をふる。
「おまえはすごい。おまえがいれば、わたしは大丈夫だ。いつでも」
 まっすぐな気持ちがきらめく。
 山形は困ったような顔をしたが、こころからの信頼がうれしくて、だまって恋人のまなざしを受けとめていた。
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プロフィール
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削谷 朔(さくたに さく)
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自己紹介:
山形新幹線×東海道新幹線が好きです。
でも基本的に雑食、無節操ですのでご注意ください。
鉄分のない駄文ですが、よろしければ覗いていってください。
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